出不精女が出掛けた日のこと

出不精なわたしが出かけた時に更新します。ほんの少しでも、そこを訪れようと思っている方の参考になればいいな……

執事の館@名古屋に帰宅してきました

愛知県名古屋市にある「執事の館」に二十数年ぶりに帰宅してきました!(=執事の館というお店に初めて行ってきました)ので、そのレポを書きます。

 

執事の館というのは一言でいうと、すごいコンセプトカフェ(執事喫茶)。ただし執事喫茶と聞いて想像するような、イケメン執事に囲まれてちやほやされる感じではなく……落ち着いた雰囲気のお部屋で、ナイスミドルな執事やばあやに給仕してもらってお食事を楽しむというようなものです。お客はお嬢様(奥様/ぼっちゃま/旦那様)で、執事の館はお嬢様のおうちです。そのため、館に行くことを「帰宅する」と言います。執事の館の詳細は以下の公式ホームページでご確認ください。

執事の館 準備委員会:https://www.butlers-house.net/

 

わたしは同行者と2人で、ティータイム(90分の時間制)に帰宅しました。執事の館には「ジーパンはNG」程度のドレスコードがあるのですが、ロリィタファッションはOKということで、わたしはロリィタファッション(派手なものではなくクラロリ的な落ち着いたもの)で行きました。同行者はニット、ブルゾン、シフォンのスカートにパンプスでした。他のお嬢様方もそのような服装でした。ご参考までに。

 

執事の館に行くには、有料(3000円)の会員登録をして帰宅を予告(予約)できる会員になるか、帰宅予告のできる会員に誘ってもらうかのどちらかの方法をとることになります。

ちなみに執事の館準備委員会発足から間もない頃は、有料会員という括りがなかったため、当時会員登録をしていた人は無料で帰宅予告ができる会員になっています。かくいうわたしもその一人でして、約6年前からずーーーっと行きたい行きたいと思い続け、今回ようやく帰宅が叶いました!

以下、帰宅からお出かけ(退店)までの流れを長々とレポートしていきます。

 

最寄り駅から館までは近く、わたし的には道もわかりやすかったです。道中、予告時間の7、8分ほど前にドアマンの方から「初めてのご帰宅ですが道はおわかりになりますか」と電話をいただけてありがたかったです。電話に出た時「ミトメお嬢様のお電話ですか?」と言われて、お嬢様……!と感動しました。

 

館の前に着くと、電話をくれたドアマンの方がお出迎えしてくれました。館のドア前には椅子とストーブが置いてある待ち合いスペースがあり、そこで館の説明を聞いたりお話をしたりしました。

説明と言っても、設定をぶち壊すような業務的なものではなく、「お二人は二十数年ぶりのご帰宅ということで……立派になって帰って来られて、嬉しく思います」から始まりました。すごい。ここで館内での呼称も決められて、お嬢様、奥様、ぼっちゃま、旦那様から選びます。

数分ほど雑談をした後、「それでは準備が整いましたので」と館の玄関が開かれました。

 

中では給仕係の方が迎えてくれたのでご挨拶。エントランスは内装やディスプレイがとても凝られていたので説明してくれるのかと思いきや、特に言及されませんでした。時間が無かったのかな……。

その後は次の部屋に進み、介添係のばあやに荷物や上着を預けました(このばあやが容姿から喋り方からとっても「ばあや」なんです!感動)。化粧直しの道具やお薬などはポーチに入れて持ち込めますが、スマートフォンなどその他の荷物は全て置いていきます。執事の館はわたしの家でもありますが、同時に他の方のおうちでもあるので、写真撮影や録画は禁止なのです(ただし食べた料理の写真は会員登録したマイページからダウンロードすることができ、SNSなどに投稿することができます)。

 

荷物を預けた後は、短い廊下の先の給仕部屋「白の部屋」に案内されました。その名の通り白を基調とした内装で、キラキラのシャンデリア風の照明が輝いていました。なんとなく仄暗い照明の下で食事をするイメージを持っていたので、部屋の内装の明るさが意外でした。

部屋の中には2人席のテーブルが4つありましたが、各テーブル同士はレースで仕切られていたので、他のお嬢様方がいても特に気まずくはありませんでした。

 

席に着く時は当たり前のように椅子を引いてもらえます。慣れていなさすぎて椅子に座るだけでもアワアワしました。

そして、ばあやによって良い香り付きのおしぼりが運ばれて来ます。いい匂い~!と2人ではしゃいでいたら「この香りが恋しくなったらまた帰宅するんですよ」とばあや。なるほど……これがわたしのおうちの匂い……。

 

席についてから、膝にティーナフキンを置くように言われました。そしてウェルカムドリンク?として水出しダージリンとクッキーが提供され、その後に軽食とお菓子のワゴンが運ばれてきました。まず今月限定のドリンク3品の説明を聞き、それからワゴンに乗っている全ての料理(軽食7品+お菓子20品くらい)を丁寧に説明してもらいました。注文システムは、その中から料理を何品かずつ、数回に分けて頼むというもので、有り体に言ってしまえば食べ放題です(ちなみに料理の説明を聞き終えた頃には残り時間が約60分となっていました)。

わたしは1回目の注文に軽食を5品、2回目にお菓子を5品、3回目に軽食3品、4回目にお菓子を2品頼み、ドリンクは計2杯いただきました。一つ一つの料理は量が少なめなのですが、何品も食べればさすがに満腹になりますね。ティータイムとは言いつつも、ランチにできます。

食べた料理はこんな感じです。


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料理の感想は、残念ながらわたしに語彙力が無いため割愛いたします。ただ、どれもとても美味しく、「馴染みのない変わった味で口に合わない……」ということはありませんでした。わたしと同行者のお気に入りは、「サーモンのブルスケッタ風」です。「青いケーキ」も甘すぎず美味しかったなあ……。

 

また、わたしが予告の際に「同行者にお祝いの言葉をかけてほしい」と要望欄に書いたからか、ドアマンの方との会話でわかったからか、同行者のデザートプレートにお祝いのイラストが書かれた物をサプライズで出していただけました!プレートが運ばれてきた時はわたしたちのテーブルについていない使用人の方も集まってくださって、同行者を祝ってくれました。そしてなんと隣のテーブルのお嬢様も小さく拍手してくださっていました。ありがとうございます……!

わたしたち以外にも2組このようにお祝いされている方々がいたので、やっぱり特別な日に執事の館を利用するんだなあと感じました。

プレートのイラストの写真が撮れないのはちょっと残念ですけど……!

 

その後食事中、同行者のプレートのイラストをちらちら見ていたら、食器を下げに来たばあやに「先程からお嬢様がプレートを羨ましそうに見ているのにばあやは気づいていますよ!お誕生日の時にもお祝いしますから、またご帰宅ください」と言われてしまいました(笑)よく見てらっしゃる……。

このように使用人の方々は終始目を配ってくれているので、お皿が空いたらすぐ下げてくれるし注文を聞いてくれます。テーブルの上には使用人を呼ぶベルが置かれているのですが、よく気がついていただけるので、わたしたちは使う機会がありませんでした。

 

また、使用人の方は意外と話しかけてくれました(もちろん、帰宅を予告する際に、できるだけ話しかけないでほしいという希望を出すこともできます)。当たり前ですが使用人の方によってユーモアを交えた会話やら雑学やら毛色が違うので、何度行っても楽しいだろうなと思いましたし、初めての帰宅でソワソワしていたので緊張が解れて良かったです。

 

お出かけ時間10分前になると、ばあやが時間が迫っていることを教えてくれて、お出かけ前の冷たいほうじ茶を出してくれます。また、お手洗いに行くかどうかも聞いてくれるので、使わせてもらいました。が、席を立つ際に膝に敷いたティーナフキンを落としてしまって、咄嗟に拾うためにしゃがもうとしたら、ばあやに腕をガシっと掴まれて阻止されました。お嬢様はそういうことしちゃいけないんですもんね……!徹底していて驚きました。ここでは何でも使用人の方々に任せないといけないんだ……。

さてお手洗いの内装はというと、とても綺麗で、きっとこだわりがたくさん詰まっていたと思うのですが……急いでいたのでじっくり見られず。これはまたの機会ですね……。

 

館の中では会計を行わないので(館はお嬢様たちの家なので、その場で給金を貰うわけにはいかないという執事の館の方針です)、お手洗いを済ませた後は、預けた荷物を受け取って上着をばあやに着せてもらいました。服を整えるため、鏡も用意してくれていました。ばあやとはこの部屋でお別れです。「ばあやはいつでもお帰りをお待ちしております」との言葉をくれて、深いお辞儀と共にお見送りしてくれました。

エントランスでは給仕係の方とお別れです。「4月から新たな環境になって大変だと思いますが、辛くなったときはお屋敷のことや私のことを思い出してくださいね。お嬢様たちに私がはぁ~!っとパワーを送っておりますから!」と言われて、思わずうるっとしてしまいました。なんというか、使用人の方たち、演じている感が無いんですよね。それなので、初対面だったのにも関わらず言葉が響いてしまったみたいです。

 

館の外に出ると、ドアマンの方と運転係の方が迎えてくれました。というのは、給仕のオプションとして赤い馬車(レクサス)での道案内を申し付けていたからです。道案内は送ってもらえる範囲に制限はあるようですが、走行距離に応じて値段が決まり、名古屋駅までだと2000円で送ってくれるそうです。レクサスに乗れる機会なんてそうそう無いんじゃないの~?という好奇心で頼みました。

ドアマンの方と運転手の方に車のドアを開けていただき、後部座席に乗り込みました。車内が広い!シートが白い!

 

運転係の方は、館の使用人の方と比べるとややフランクな印象を受けましたが、きちんとお嬢様として扱っていただけました。最初は名古屋駅まで送ってもらう予定でそう告げたのですが、「駅に着いたら何するんですか~?」と聞かれ、駅近くのアニメグッズの店に行こうとしていた同行者が「えーっと、ぶらぶらします~」と濁して答えたところ、「あ、もしかしてアニメショップですか~?」と、バレました(笑)見抜かれている……。そういうわけで、アニメショップまで送っていただけることになりました。

 

車内で無言になったらどうしようと不安に思っていましたが、道中はよく話しかけてくれましたし、せっかくだからと名古屋城の外周をまわって見せてくれました。

また、同行者と後部座席の脇に並んでいるボタンを見て「何のボタンだろう?」「エアコンだ!」などと話していたら、「お嬢様の車ですからどうぞ御自由に触ってください」と言ってくださったので、思う存分操作しまくりました(笑)このレクサスわたしんちの車なんだ……。

そして高級車ってすごいんですね!後部座席のボタンでオーディオもエアコンもシートのリクライニングも窓の日よけも操作できて……さらに各座席の上部に鏡も設置してあって……最後の最後にとてもテンションが上がりました。乗る価値ありますね……!

 

そんな感じで最後まで楽しみつつ、車はアニメショップの裏に着きました。自分でシートベルトを外した後は運転係の方がドアを開けてくれて、「お嬢様いってらっしゃいませ」と深々とお辞儀をしてお見送りしてくれました。赤いレクサスを横づけしてさらに運転手にお辞儀までされてアニメショップに入っていくという謎体験は一生忘れられません……。一度後ろを振り返ったら、両手を振って見送ってくれていたので振り返しました。わたしたち、最後までお嬢様でした。すごい。

 

執事の館、全てが徹底されていて、なんだか別世界に迷い込んだ気がしました。またあの匂いが恋しくなったら帰ろうかな。それとも誕生日が近くなったら帰ろうかな。

楽しみです。