出不精女が出掛けた日のこと

出不精なわたしが出かけた時に更新します。ほんの少しでも、そこを訪れようと思っている方の参考になればいいな……

八代妙見祭@熊本に行ってきました

八代妙見祭というお祭りをご存知ですか?

九州三大祭の一つで、毎年11月下旬に熊本県八代市で行われる大きな催しです。

八代神社の祭礼として行われる行事で、その歴史はとても古い……そうですが、この記事は歴史に関して不勉強な者が書いているので、そのような観点の記述は何もありません!

ただ、行ってみたいな~と考えている方に現地の情報を提供できたらいいなと思って、大分日は経ちましたが書き進めます。

 

まず八代妙見祭の個人的見どころは、これです。

f:id:sokomaday:20240229223625j:image

馬!!

 

わたしは動物と写真を撮るのが好きなので、ネットでこのような大きな馬が水飛沫を上げながら駆けている写真を見て、見たい!撮りたい!と思って飛行機で現地まで行ってきました。

以下は2日間開催される八代妙見祭の、2日目にある河原での演舞を見に行った話になります。

 

まず、演舞会場である砥崎河原(とさきのかわら)はこのような場所になっています。

f:id:sokomaday:20240229224535j:image

※演舞前日の写真

 

観客席である階段、川、演舞場(写真右側の車が停まっている丘)で構成されています。観客席は無料ゾーンと有料ゾーンに分かれており、無料ゾーンは前日の15時以降からシートによる場所取りが可能でした。今までは桟敷席という有料席もあったようなのですが、2023年は設置されませんでした。

※場所取りに関する注意事項は公式ホームページにありますので、その年のルールをご確認お願いします。

 

上に載せた写真は、場所取りが解禁されてから約5~10分後の状態です。既に演舞場の正面辺りの部分にはたくさんのシートが敷かれています。また、徐々に最前列も埋まっていっている感じ。

わたしは15:05くらいに会場に辿り着いたのですが、正面でない場所はまだ最前列がまあまあ空いていたのでそこにシートを敷いてガムテープを貼り場所を確保しました(近くに八代市広報係のシートがありました。自分で場所取りするんだ……)。

けっこう階段の幅広いじゃんやった~と思っていたけど、上の段の方が座って脚を下ろすことを忘れていました。下ろされても狭くはないけどね。

 

ちなみに公共交通機関しか足のないわたしは、最寄り駅である八代駅から会場まで徒歩で移動しました。2.3kmです。全て舗装された道なので歩きにくい所は特にないです。でもみなさんほとんど車で路駐して席確保に来てたのかな?あの時間に八代駅から会場に向かってわたしと同じ道を歩いていた人はいませんでした。

さて、この場所取りが必要なこともあり、わたしは新八代駅周辺のホテルに前泊しました。新八代駅は新幹線が停まる駅なので、栄えていると思いそこで夕食を摂ろうとしていたのですが、全然店がありませんでした。あってもちょうど定休日とか。道の駅にレストランがあるようだったので向かったものの、営業時間外で結局コンビニ弁当を食べました。

食べ物にこだわりがないので良いのですが、おそらく新八代駅八代駅なら後者の方が店があると思います。国道かな、大きい道沿いには少なくともチェーン店がいくつかありました。

 

では、妙見祭2日目当日の話をしていきます。

 

当日は新八代駅のロータリーから会場近くまでのシャトルバス(往復500円)が出ます。なのでわたしもそれを利用しようと思っていたのですが、結局シャトルバス乗降場から会場までかなり歩くな……と思って乗らずにまた八代駅から歩きました(でも今思うと勘違いだったかもしれません。みんなはシャトルバス乗り場の方に聞いてみてね)。

妙見祭2日目は最初から河原で演舞が行われるわけではなく、午前中は神輿や獅子、馬などを中心とした神幸行列が街を練り歩きながら要所要所で出し物を披露していきます。わたしが見たいのは河原で駆けている馬だったので、行列は見られなくても良いかなと思っていたのですが、ちょうど八代駅に着いた時に神幸行列が出し物をしながら通っていく場面に遭遇しました。よく見るポニーやサラブレッドではない、重種馬というのでしょうか、とても大きな馬が走っている姿が大迫力で思わず足を止めて眺めました。

当日は20℃を超える暑さだったということもあり、駅前のロータリーで出し物を終えた馬は少し進んだ先で水浴びをさせてもらっていました。熊本の11月ってこんなに暑いの?たまたま?

f:id:sokomaday:20240229233545j:image

この写真を撮った時、神幸行列の方が「どうぞ前から撮ってください!」と言ってくださって、行列横切っても大丈夫なんだ……と思いました。もちろん断りは要るでしょうけど(そして撮る前に馬が出発してしまった)。

 

行列は車道を通って会場へ向かっていきます。

f:id:sokomaday:20240229233829j:image

なんだか相馬野馬追を思い出します。

でも、相馬野馬追のように沿道に人が待機して行列を見守る感じではありませんでした。出し物の会場で到着を待っているのか、それとも露店の方に行っているのか。

神幸行列が河原で演舞等をするのは午後からで時間に余裕があったため、わたしも八代神社前の露店を見て回って過ごしました(木彫りの鳥や、シカの角やイノシシのキバなどで作ったキーホルダーを売っている店があって眺めていたら、店主のおじいさまに話しかけていただいて会話が弾みました。木彫りの鳥が木に止まっているオブジェ、すごく精巧に作られていて欲しかったけど大きくて断念しました。でもシカの角のキーホルダーは買った)。

露店の数も人の数もすごく多くて、さすが九州三大祭……と思いました。何を食べるか迷って、結局あんまり食べられなかった。

 

そんなこんなしているうちに、神幸行列が露店の間を練り歩き、砥崎河原に到着しました。ここからは行列の中の一つ一つのグループが演舞場で出し物をしていきます。行列の順番は妙見祭ホームページでダウンロードできるパンフレットに書いてあり、この順番通りに披露されます。

行列の最初の方は、歴史的な衣装(不勉強がバレる)に身を包んでいる人々が、演舞を披露したり川沿いまで下りてきて練り歩いたりするという形でした。

f:id:sokomaday:20240301001951j:image

籠の中のお子様、7:30から行列してるのにちゃんと起きてみんなに手を振っていた。プロすぎる。

そんな雰囲気がガラッと変わったのは神馬が登場した時です。

f:id:sokomaday:20240301002420j:image

まず丘の上で馬を走らせて……

f:id:sokomaday:20240301002604j:image

川の中へ!

これが見たかったんだよー!とシャッターを切りまくりました。冒頭に載せた会場の写真の通り、観覧席と川の間に柵なんかありません。川の真ん中を通るか、観覧席側に寄ってくるかは馬次第です。馬は速歩(小走り)ではなく、パカラッパカラッの駈歩のリズムで巨体を揺らしながら走っていきます。

重種馬駈歩、初めて見た……!

馬を引いている……?引かれている……?方々を跳ね飛ばすのではないかという勢い。100mほどの距離を水飛沫を上げながら行ったり来たりして、少なくとも5往復以上は走ったと思います。最前列なのでそこそこ濡れましたが、そんなことよりとにかくかっこよかった。

ちなみにわたしは濡れても良いようにコンビニでカッパを買っていったのですが、必要ありませんでした。なにせ20℃を超えていたので。寒い日に最前列で見るなら着た方が良いと思います。

 

神馬の後はまた人々が川沿いを練り歩いていき、最後から2番目の亀蛇(きだ)の順番がやってきました。

f:id:sokomaday:20240301004508j:image

ガメさんと呼ばれて親しまれているらしい。

亀蛇は川の中を走り、その場でぐるぐると旋回し、「ホイホイ」の掛け声で胴上げのように顔を掲げます。亀蛇は数百キロの重量があるそうです。け、怪我しないで……。この亀蛇は大人たちが中に入っているのですが、もう1匹子亀もいて、それは子供たちが中に入っています。子亀でも百数十キロの重さだそうですが、親の亀蛇と同じように旋回し、頭を胴上げのように何度も持ち上げて掲げます。たまに降りてきた子亀の重さを支え切れずバランスを崩すこともありました。ほんとに怪我しないで…………。楽しむものだとは思うのですが見ていてハラハラしました。ご安全に……。

 

そして最後は、飾り馬たちの登場です。披露する内容は神馬と同じですが、飾り馬は12頭もおり、代わる代わるやってきます。基本的に1つの団体が1頭の馬を走らせます。色とりどりの装飾を身にまとった馬たちが駆けていく姿は非常に見応えがありました。

f:id:sokomaday:20240301010131j:image

きちんと川の中を走る馬もいれば

f:id:sokomaday:20240301010156j:image

川に入りたがらない馬もいます。

f:id:sokomaday:20240301010219j:image

子供たちはポニーと一緒に。

f:id:sokomaday:20240301010252j:image

引き手達が振り落とされてソロ駈歩をする馬。くまモンの頭飾りが可愛い。

f:id:sokomaday:20240301010417j:image

そしてわたしが一番印象的だったシーン。何度も往復している馬に川の水を飲ませようとしています。

飛行機の時間があったので最後の馬だけ見ずに帰ってきてしまったのですが、天気もよく、見たかった景色が見られてとても満足でした。お客さんも盛り上がっていたし、なんと言っても馬の引き手の方々がとても楽しそうにしているのが印象的でした。こんなに大きい祭りのために長い期間準備してきたんだろうなあ。

祭りそのもの以外にも、八代駅から河原に向かう際に通った道がとても静かで、近くに綺麗な山々が見えて、なんて素敵な街なんだと思いました。こういうところに住みたい。

f:id:sokomaday:20240301020609j:image